先日、とあるスタートアップで人事制度の説明会がありました。
私を紹介してくださる中で、「今まで何社ぐらいのスタートアップの人事制度設計をやったんでしたっけ?累計で」と聞かれました。
「えーっと」と考えても、正確な数字が出てこない。
スプシに記録は残しているものの、しゃべる前提で管理していなかったのが露呈しました。
「20~30社ぐらいですかね」と歯切れの悪い回答。
改めて調べてみました。
独立10年目で29社
2014年7月に独立して、10年目。
スタートアップで人事制度の設計コンサルティングを実施したのは、29社でした。
ここで言うスタートアップとは、外部から資金調達し、急成長を目指す企業を意味しています。
スタートアップ以外で、実際に関与させていただいたケースだと、NPO、VC、オーナー中小企業があり、総クライアント数は33社でした。
29社のスタートアップ人事制度設計のうち、ゼロイチの制度設計、つまり人事制度がない状態からバージョン1を設計するケースが、26社。
3社は、既に人事制度が運用されている状態で、その改善を目指したプロジェクトでした。
またゼロイチの制度設計26社のうち、設計を完了し、制度導入できたケースは24社。
2社は、プロジェクトが途中で頓挫しています。
理由は、1社は「プロジェクトの途中(というか開始まもなく)で買収された」、もう1社は「ピボットによってプロダクト開発に専念することになった」です。
10年の内訳
プロジェクトが開始したタイミングで、年別にクライアント(スタートアップ)の数を整理しました。
5年目に一気に8社請け負っていたことに、今更ながら気づきました。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 |
1社 | 4社 | 2社 | 3社 | 8社 | 2社 | 5社 | 1社 | 2社 | 1社 |
スタートアップの人事制度・人事マネジメントが、大企業のそれとは違うんだなと理解できるようになったのが5年目くらいでしょうか。
3年目ぐらいで何となく違いが見えてきたものの、言語化は難しく、現場での試行錯誤を繰り返していたと思います。
強みは、運用を知っているからこその設計ができる
自分の強みは、運用まで支援していることで得られる知見・ノウハウ、そしてその運用を知っているからこそできる設計です。
最も長いお付き合いは、独立前のクライアントであり、2009年から。
今でもお付き合いがあり、人事マネジメントや制度運用をサポートしています。
その他のスタートアップでも、設計して終わりではなく、運用周りをきちっとサポートし、制度のチューニングを行ってきました。
設計と運用を連続的に経験することで、自分の思考を強制的に振り返ることができます。
こう思っていたけど、実際はこう動く。
AかBか、と思っていたら、Cだった。
こうだと思ったら、そうなった。
こうだと思ったら、想像以上にそうなってしまった。
考慮できていなかったことがあった、などなど。
この経験値が、制度設計と運用、そして改善に大いに役立っています。
ここ1-2年で、経験値の言語化を進めてきました。
今後も運用まで含めたコンサルティングを継続し、さらなる言語化と進化に努めていきます。