CEOが現場から離れられず、経営者として振る舞うことができない組織の特徴

CEOが現場から離れられず、経営者としての責任を果たせないケースがあります。

経営者の責任とは、究極的には売上・利益をあげることです。

 

100人から300人規模の組織で、事業が停滞してしまう場合、問題の原因は30人までの組織づくりにあると考えています。

 

30人の組織になるまでに、100-300人組織のCOO・CTO・CFOが採用できているか?

CTOとCFOは採用できていますが、事業推進の役回りであるCOOが採用できていないケースがあります。

主な理由は、2つ。

  • ①そもそも採用が難しい
  • ②「CEOがやればいい」「CEOでもできる」「CEO自身がやりたい」と考え、採用に本腰が入っていない

※前提としてCEOがビジネスサイドの役回りとなっています。

 

CEOは、CTOとCFOの役目を果たすことができません。

できないし、やりたいくない。

しかし、COOの役目は果たすことができてしまうのです。

そこで「採用が難しい」という理由を、自己正当化の材料に使ってしまい、短期的な目線に陥ってしまいます。

 

この状態でも、筋の良いスタートアップであれば100名程度の組織規模まで拡張を拡げていきます。

CEOがビジョンを示し、現場で活躍し、メンバークラスの採用にも手を出しているイメージです。

 

事業や組織が複雑になると、手が回らなくなる

100-300名規模に拡張すると、事業や組織が複雑になってきます。

日々の障害が増えると同時に、中長期で考えることも増えてきます。

社員からも、「もっと長期を示してほしい」と組織フェーズに合わせた意見が出てきます。

 

CEOの役回りですが、短期的なCOOの役回りをこなしているため、ロールチェンジできません。

手が回らなくなります。

 

問題は、COOの役回りを果たせる人がいないこと、そしてCEOが「優秀な経営パートナー(COO)に仕事を任せて、自分(CEO)以上に成果を残してくれるというポジティブなサプライズ」を経験していないがゆえ、権限移譲できない体質になってしまっていることです。

 

常に本音で、「自分がやった方がいい」「これは自分にしかできない」「自分よりうまくできる人はいない」と思っているため、自らの仕事を割り振ることがうまくできません。

でも、CEOよりももっとうまくやってくれる「No2」が世の中にはたくさんいるのです。

そして、成長しているスタートアップのCEOはそのことを早期に学びます。

30名までの組織づくりで、将来の経営幹部となる人材を採用し、少しずつ経営の仕事を分担しているからです。

具体的に等級制度でいうと、6-7等級のポテンシャルをもった5-6等級の人材を採用できています。

 

経営者にしかできない仕事をやらないといけない

経営者は中長期のビジョンを示し、リーダーシップを発揮して、組織を率いることです。

そして、そのビジョンを実現できるための仲間を集めること(採用)。

本質的に、この2つが経営者の仕事だと思っています。

製品開発や営業、資金調達がやりたければやってもいいのですが、上記の2つをやらずに、やりたいことをやっていてはいけません。

 

もし、自分の役目は、そうではない。

つまり、ビジョンを示すこと、仲間を集めることではない、というのであれば、CEOを変わる必要があるかもしれません。

 

100人以上の組織になったとき、このことに気づいてCOO採用に奔走したとしても、重要な仕事を他人に任せる経験をしていないCEOは、すぐに相手を信頼して仕事を任せることができません。

「権限移譲した方がいい」と耳にタコができるほど聞いても、すぐに実行できません。

不安だからです。

 

なので、30人程度の組織に拡張するまでにCOO候補を採用し、早めにその方へ重要な仕事(責任)を分担していきましょう。

「いや、やったけど相手が期待する成果を残せなかった」という場合、その採用を進めらたCEOの失敗でしかありません。

この採用は、ある種のセンスなので、1度でも失敗した方は周囲にアドバイスを求めらたり、採用プロセスを改善するなど、CEOの独断だけで採用を進めないようにしましょう。

得てして、自分は「人を見る目がある」「組織づくりが最重要ミッション」といった発言が出ますが、残念ながら「人・組織」のセンスが無いと想定されます。

センスが「足りない」ではなく、「無い」のです。

だから、周囲にいる「人・組織」に対するセンス抜群の仲間にサポートをお願いしましょう。

 

Share this…