2014年7月に独立してから、丸9年が経過し、10年目に入りました。
ひとえに周囲の方々に支えられて、今に至るわけであり、感謝です。
その上で、自分がどのようにして、この独立の山を登って来たのか、について自ら振り返ってみたいと思います。
思ったまま綴っていきます。
(冒頭の写真は、独立して2年半でワンルームの事務所を借りたとき。家賃は10万ぐらい、ペイした固定費だったと思います)
とにかく慎重にやってきた
自らを信じることがそう簡単にできない質なので、つまり自信がある方ではないので、とにかく慎重にやってきたと思います。
リスクは大胆に取らず、表にも出ず、粛々とクライアントの問題解決に向き合ってきました。
たまに贅沢することはあっても、世間的にそれは贅沢ではないかもしれません。
自分に対してケチであること、倹約することの美徳を感じる性格かもしれません。
価値を考え続けた
人事制度を設計・運用するコンサルタントの価値とは何か?
独立してから3年ぐらいはずっとこのことを考えていたと思います。
最終的に「企業の業績向上に貢献する」ことなのですが、この正論ほどつまらない論はありません。
相手にまったく印象が残りませんし、相手が自分に仕事を依頼するスマートな理由にはなりません。
相手がどんな言葉を発して、自分に仕事を依頼することがスマートか、この視点で言葉・表現を開発してきました。
結論として、スタートアップが仕事に集中できる環境をつくることを目的に人事制度に設計する。
より具体的には、個々人の「報酬決定」を実現するために人事制度を設計する、に落ち着きました。
これが自分の価値であり、結果として中長期的な企業成長に貢献できると考えています。
単価を上げることができた
独立当初から比べると、単価を上げることができました。
理由は、スタートアップであること、BtoBであること、レバレッジの効く制度設計であること、他に依頼できる人が少ないこと、といった仮説があります。
自分のように「人事制度」というニッチ(?)な領域、かつスタートアップをターゲティングしたケースは稀で、たまたまそこにハマった感覚です。
狙ったことでもないし、独立前にそのニーズがあったことも全く把握できていませんでした。
巡り合わせの中で、気づいたことを言語化したまでです。
この環境に、自分の経験が掛け合わさって、結果として単価アップにつながったと考えています。
出るところは出た
慎重にリスクを取らずにやってきたつもりですが、1回だけ「ここは」というタイミングで、自分らしくない提案をしたことがあります。
身銭を切ったリスクというか、、、
ただ、もちろんリスクが起こった際にゲームセットにはならない規模でしたが、先行きが全くもって不透明なところに突っ込んでいきました。
自分としては、言語化できない自信というか、見通しは持てていましたが、想定以上のリターンがありました。
結果として、チャンスを掴めました。
ここが独立のターニングポイントになったと思います。
身の丈にあった経営をしてきた
スタートアップの起業家の方々とたくさん仕事をする中で、「この人たちスゴイな」と心底思うことだらけで、自分のようなコンサルタントが生きていく(食べていく)には、とにかく領域を絞り、専門性を蓄え、負けない試合をするしかないな、と思うようになりました。
結果、それが身の丈にあった経営になってきたかと。
過度にネガティブに考える必要もありませんし、卑下することもありませんが、本当に起業家はスゴイ人たちばかり。
でも、そこには強み・弱みがあり、自分の強みが貢献できる領域を見出せば、うまくコラボレーションできるとも分かってきました。
互いに一人の人間として接することができれば、自分のような人間でも貢献できるんだと思います。
大変な仕事でも投げ出さなかった
過去の仕事を考えると、すべては順風満帆というわけではもちろんなく、相当削られた仕事もありました。
ただ、正直に本音で話すと、前職のコンサル時代の方がよっぽどハードワークだったので、それに比べれば、何とかなる、とは心にありました。
そういう逆境でも、自分のミッションを果たす部分に関しては、とにかく逃げずにやってきたつもりです。
相手からすれば、それ逃げてたじゃん、と思うケースもあるかもしれませんが、それは相性の問題であり、どうにもなりません。
自分としては、契約として約束したことは果たしてきました。
本当に、これはしんどい・投げ出したいと思ったのは、独立して2回ありましたが、何とかそれも時間が解決してくれました。
この経験から、本当にクライアントとの相性は大事、仕事ではなく生活全体に影響が及ぶことを身をもって経験しました。
いいクライアントに恵まれた
ここまでは比較的、自分が努力してきたことですが、キーとなるのは、やはりクライアントだったと思います。
ここは足し算ではなく、掛け算の概念で、どんなに自分が努力してもクライアントが「ゼロ」もしくは「マイナス」であれば、結果は「ゼロ」か「マイナス」になります。
一方、プラスであるクライアントも掛け算。
自分の努力を掛け算でパワーアップしてくれる存在です。
どうして、このような「いいクライアント」に恵まれたのか、はまだ言語化できていませんが、それなりの理由があるんだと思います。
もちろん偶然の要素がありますが、その偶然を引き寄せる何か、を無意識的に実行できていたのかもしれません。