組織を表現する際、「人が良い」「いい人が集まっている」といったことを聞くことがあります。
抽象度は高いですが、何となくわかります。
自分なりの「人が良い」を考えてみました。
謙虚
皆さん、謙虚ですね。
「いえいえ、そんなことないですよ」と謙遜しているけど、本当はスゴイことを誰でも知っています。
でも、そこを出しゃばらない。
自信過剰にならない。
なっても、ウケ狙いであったり、自虐的なネタにしたり。
皆さん、「上」を知っている・見ているので、自然と謙虚になっていきます。
「上」の方も皆さん、謙虚ですので。
こういうサイクルで組織づくりが進むと、謙虚なプロフェッショナル集団に発展し、「人が良い組織」になっていくように感じます。
一方、謙虚だけどプロフェッショナルでない集団もあります。
こちらも「人が良い組織」と呼ばれたりしますが、その中で働くのは結構大変です。
キレイゴトだらけだし、思いのほか政治的です。
助け合いの精神
皆さん、常に相手を助けよう・サポートしよう・フォローしようと目を輝かせています。
「いざ」というタイミングになる前に、手を差し伸べてくれます。
恩着せがましいわけでもなく、貸し借りの論理でもなく、損得勘定でもない。
「困っていたら助ける」というマインドセットが強い方々なのです。
こういう組織は、助けてもらうことへのハードルも低く、まさに「助け合う」ことが実践できています。
「助ける」とは、できないことをやってあげるという意味だけではなく、知見・情報を共有してくれたり、人を繋いでくれたり、と幅広い行為を指しています。
相手を尊重する
相手を一人のヒトとして尊重してくれるため、当人もその思いに応えようと必死に努力します。
相手に任せて、責任を付与した以上、最後までやり切ってほしいという気持ちが、尊重の根底にはあります。
一見「人の良い組織」では、尊重する=丸投げになっていることをよく見かけます。
そして、丸投げの結果としてうまくいかないと「問題追及」や「犯人探し」が始まり、最後は「偉い人」が、「自分がやるしかないか」と登場しがちです。
個人的には、この尊重をカルチャーとして浸透させるのは難しいと考えています。
社会人経験と個人の特性に強く影響を受けるからです。
できない組織は、まったくできていませんし、尊重し合う組織で働く経験がないと尊重の意味すら理解できません。
率直にフィードバックする
謙虚、助け合いの精神、相手を尊重する、という3つから、ぬるい組織、もしくはあまい組織に見えるかもしれません。
しかし、現場では率直なフィードバックが相互に展開されるため、シビアな環境です。
できていないことを率直にフィードバックされますが、しかし、そこには思いやりのある先を見据えた助言も含まれています。
フィードバックを受けたときは、「うっ」となりますが、少し時間が経てば納得できるフィードバックであり、感謝できるようになってきます。
決して理不尽な、感情的な、示唆のないフィードバックではありません。
合理的で、論理的で、気づきのあるフィードバックなのです。
相性が合う
最後の「相性が合う」は相対的です。
人によって相性は異なりますので。
自分の場合、笑いのツボが合うところ、よく笑うところ、仕事(働くことを通じて問題を解決したり、他社の困り事を解決したりすること)が好き、正解のないことを真剣かつユーモアに考えることが好き、経営や組織において何に重きを置くか、言葉遣い、挨拶、服装、年齢や性別・国籍で差がない、偉いとか偉くないとかそもそも議論する輩がいない、といったところで、相性が見えてきます。
表面的で見えるところから、そうでないところで「合う」「合わない」がわかります。
この相性があるため、人によって「人が良い組織」というのは意見が分かれる気がします。
「人が良い」と思える組織で働くことは、自分の精神衛生上もキャリア開発の観点でも有利に働きます。
また、結果として”本当に”「人が良い組織」というのは成果を残す組織でもあるため、報酬面でもプラスになると考えています。