一般用語になったプレイングマネージャー。
プレイヤー(選手)とマネージャー(監督)の2つの役割を兼任するポジションです。
スタートアップでは、リソースの観点でプレイングマネージャーにならざるを得ないケースが多いはず。
100名未満の規模では仕方なく、兼任しています。
ただ、リソースの観点で兼任しなくて良い状態になったとしても、プレイングマネージャーを続けていることも見受けられます。
私の経験上、ほぼうまくいっていません。
この状況を分析すると、多くのケースで「プレイングマネージャーだから」というわけではなく、単純に「マネジメントに向いていない」が原因です。
プレイヤーとして役割を外してマネージャーに専念させても、うまくいきません。
このようなマネージャーは、ピープルマネジメントに対する意識がズレているため、フィードバックしても改善されないのです。
あと、すぐプレイしてしまうので。
成長に対する期待は持っていますが、ダメなものはダメなのです。
そういう意味では、ポジションを外れ、プレイヤーに専念することが筋の良い打ち手。
プレイヤーとして一流の選手であれば、その道でバリューを発揮した方が最適です。
しかし、多くのケースで様々な正当化が行われ、問題が放置されてしまいます。
なぜ、こうした問題が起きるのか、放置されるのか。
なぜなら、問題となる方に「問題意識」がないからです。
ましてや、自分は「マネージャーに向いている」とすら思っています。
当然、問題は改善されません。
メンバーが疲弊し、退職者が出ても、プレイヤーとして成果を出している観点で正当化は続きます。
ここまで問題が出ても、問題意識は芽生えないのです。
こういう議論になると、どうも自分がその立場にいないがゆえに正論を述べているようにも思われてしまいます。
メンバーへの配慮を重視し過ぎて、そんな弱い気持ちで大丈夫なのか、と。
「こっちは最前線ってやってるんだ」という相手方の自負も感じます。
でも、1つだけ提言さえてほしいです。
「マネージャーに向いていない」と言っているのは、メンバーを疲弊させてしまうからとかメンバーを辞めさせてしまうからとか、そういう理屈で述べているのではありません。
「組織として期待される成果を残せていないから」、マネージャーが不向きだと言っているのです。
組織として期待される成果を残せているなら、ピープルマネジメントに対して、改善の余地があります。
育成していきましょう。
本人にも問題意識は伝わるはずです。
でも、組織として期待される成果を残せておらず、ピープルマネジメントでも問題が起きているから、ポジションチェンジした方がいい。
思いの外、問題の本質を見誤りやすい領域です。
後任がいない、人への感情、マネジメントに対する認識のズレなど、様々な原因があります。
しかし、論点はシンプルというか至極当然です。
やってみて成功しなければ、やり方を変える。
みんなやっているはずです。
マネージャーだけ、この方針を変えてはいけません。
無意識に変えてしまっている可能性があるので、要注意です。