コンサルティングフィーを、どう設定するか。
独立時から考えてきたことです。
積算の手間をなくしたい
コンサルティング会社に勤めていたとき、工数と時間当たりの単価を掛け算して見積もりを作成していました。
独立時、この積算の手間をなくしたいと考えました。
なぜなら、積算通りにうまく進まないし、予定調和で進まない部分にも、提供価値があると。
(あとは単純に、この作業が苦手で。。。)
特に、スタートアップ環境ではそうです。
人事制度を設計・運用するにしても、各社の方針・事情に応じて様々なテーマが出てきます。
もちろん納期を守って制度設計を進めることが大前提ですが、周辺領域に対しても主務を確実に捌いた上で対応するようにしています。
でないと、クライアントの成長にも、自分自身の成長にもつながらないからです。
話は少し逸れましたが、積算をしないため、月額定額制にすると同時にサービスメニューも標準化する必要がありました。
今では人事制度設計と制度設計後の運用支援を柱にしています。
組織設計やサーベイなどにも対応していますが、基本的には「制度屋」です。
徐々にFeeを上げてきた
もうそろそろ独立10年目を迎えますが、独立時のFeeに比べると今の水準は上がっています。
昔に比べて、提供価値の広さも深さも違っているので、その辺を反映させてきました。
というのは、もちろん後付けで、どれくらいまでならお支払いいただけるのかを試行錯誤してきた結果が今の水準です。
そして、振り返ってみると過去に比べて提供価値は確かに広く、深くなってきたなと思います。
量を経験してきた独立後から7年あたりでシフトチェンジし、量を一定セーブしながら、質を追求する形を取るようになりました。
ただし、「普通」に比べばそこそこの量は今でも対応していると思っています。
自分は「量」の中から「質」を見出すタイプなので、やはりクライアントとのコンサルティング現場が、ノウハウや知見のすべてです。
時期によっても同じ仕事はありません。
同じスタートアップでも、5年前と今では本質的な部分は変わらずとも、細かなチューニングが人事制度には必要になっています。
こうした細部へのこだわりは捨てたくありません。
そのためにも、標準化できるノウハウや知見を増やし、ブログで発信したり、執筆活動に当てていく所存です。
Feeの根拠は?
根拠はありません。
原価もありませんし、そもそも原価で価格を決めることは違うとも思っていますし。
敢えて定義するなら、自分を成長させるための高い期待値を反映させている、でしょうか。
安いFeeでサービスを提供することの恐さは、その水準に満足してしまい、成長が止まってしまうこと。
自分もよく実感する「安かろう悪かろう」って、本当だと思っています。
安いことを理由に、何でも妥協してしまうというか。
製品でも安いと壊れたら、「ま、いっか」となってしまう自分がいます。
よくないですね。
だから、自分は自らを高くプライシングすることで、クライアントのハードルを上げています。
一人でビジネスをやる以上、成長は不可欠。
当然、仕組みで効率化することは必要ですが、そこを主にしてしまうと後々取り返しのつかない状態になってしまうことを恐れています。
だから、日々成長。
ゆっくりでもいいし、少しでもいいので、できることを増やしたり、スピードを上げたり、と自らを拡張させていくことが大事です。
自分にとっては、その成長を振り返る基準が「プライシング」、つまり「Feeの設定」なのかもしれません。
規模を大きくするビジネスであれば、Feeを固定化することが是なのかもしれませんが、自分のようなスモールビジネスにとって、Feeが硬直化することは成長が止まっていることなんだろうと思いました。