自分に「提案書」をつくる技能はない

7年3カ月のコンサル経験後、独立しました。

前職で自分の圧倒的な力不足(と合理性への「?」)を感じたのが、提案書作成でした。

 

その気持ちは変わらず、独立してから一度も提案書というやつをつくっていません。

いや、つくる能力とスタンスが自分には足りていない、いや、そもそもないんだと思います。

 

何が難しかったのか

前職も人事コンサルでしたが、スタンスは人事からアプローチする経営コンサルだったため、課題の難易度が異常に高かったと思います。

そして、会社としてのブランドがないこと(常々、社内で共有されていました)もあり、腕一本で勝負しようとしていたため、社内のレビュー体制も強固でした。

 

その2つの相まっている中で、自分の能力も経験がない中、提案書作成は完全に自分にとって雲の上の存在。

経験するたびに、もう絶対にやりたくない、という気持ちが強くなっていきます。

 

今ぐらいの経験になってきて、前職を続けたまま、技能面が向上していれば、もう少し面白さを見出すことができたかも、と今の立場だから感じるであろうこともありますが。

あとは通常のプロジェクトを回しながら、アドオンで対応するため、寝る時間を削らないといけないし、、、今はもうできない働き方です。

 

不安だったこと

この提案書づくりで自分が不安に思っていたことは主に2つ。

 

すべてが仮説。

戦略から制度、そして背景も。

そんなことをロジカルと直感、経験、ナレッジ、周囲の力を総動員しながら、最後はスライドに落としていましたが、なんとも「こんなこと、自分がやってしまっていいのか」という不安がありました。

 

自分がこんな大きなことを語っていいのか、自分は駆け出しのコンサルタント、偉そうな感じで物言いはしていないつもりだけど、本当に大丈夫なのかと。

あと、自分が考えればできる仕事なんだから、クライアントも考えればできるのでは、という気持ちも強かったことを覚えています。

 

今思えば、なぜ自分たちにオーダーが届くのか、はよくわかりますが、当時も謙遜の気持ちがまったくないわけではないものの、普通にこんな気分だったのです。

だから、「もっともっと」となり、時間をかけて身体を酷使して対応していました。

こうした経験の積み重ねが、少しずつ自分の力になってくれたんだと思っています。

 

でも、その状況下の自分は、おそらくメンタルやられていただろうし、やばかったことは間違いありません。

 

今は、どうしてる?

提案書は作成していません。

独立後に「提案書をつくってください」と言われた記憶もないし、作成したこともありません。

もしかすると、そういう話を受けたことがあったかもしれませんが、記憶から消してしまったのかも。

 

完全にノールックで「バイバイ」している案件なので。

 

基本的に「スタートアップの人事制度」という領域が決まっているので、そこからオーダーを受け、仕事を開始しています。

そして、人事制度から「組織」や「人事」といった大きな領域に広がっていくパターンです。

自分の腕が認められることが前提条件であり、クライアントの成長が必要条件。

 

この2つの条件下で、自分が有難くも仕事できていることに日々感謝しています。

 

これからもおそらく「提案書」と言われたら、やらないかもしれません。

やりたい仕事であればつくるかもしれませんが、そもそも自分にはそんなハイスキルもないだろうし…

 

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