目標設定について議論すると「目標の数値化」が盛り上がります。
個人的に、この数値化に関する主張は「経験」と「価値観」に強く影響を受けると思っており、「そもそも」から考えるケースが少ないように感じています。
「正しいか正しくないか」というよりは、「そもそも数値化って、、、」について考えてみました。
なぜ、数値化する?
「なぜ、数値化する?」と改めて質問すると、「なぜなら~」と意見をいただきます。
なかなか腑に落ちないことが多くあります。
それって「あなたの感覚の話なのでは?」「過去の成功体験?」と思ってしまうからです。
数値化を否定したいスタンスではありません。
ただし、何でもかんでも数値化にこだわっても、できないものもあるだろうし、数値にするとミスリードすることもあるのでは、と思います。
たとえば、会社のビジョンやミッション(の実現度合い)が数値化されてるケース、ほとんど見たことがありません。
これは「できないから」、もしくは数値化すると「ダサくなってしまうから」といった理由があると思います。
数値化すべきことは数値化した方がいいと思いますが、できないものもあるんじゃないかと。
自分が考える数値化の目的(狙い)は、
- 振り返りをしやすくなる。結果として改善につながりやすくなる
- 目標の到達点に対する関係者の認識が揃う
の2つです。
数値化しないといけない?
自分は、No です。
数値化した方が良ければ数値化する、できなければ無理にしない、というスタンスです。
数値化は重要ですが、この2つの目的を別の手法、例えば1on1での小刻みな進捗管理や評価基準を使った会話(これだとGood、これじゃimprovement、とか)でカバーできれば、無理やり数値化したり、数値化に多大な工数をかける必要もないと考えています。
振り返りは、数値化されていれば自動化できます。
でも数値化できないものがあれば、考えるなり、話し合うしかありません。
合格基準を言語化して、その基準を満たしたか否かを。
このプロセスを踏み、進捗管理をきちんとすれば認識ズレもそう簡単には起きません。
ただ、手を抜くと容易にズレるし、その手抜きに乗じて勘違いを装うこともできてしますので、マネージャーは抑止しなければなりません。
数値化にこだわると、、、
「女性管理職比率」って、数値化にこだわった愚の骨頂だと思っています。
すぐにやればいいじゃん、と思ってしまう自分が。。。
(昔、「もっと大人になれ!」と言われたことを思い出しました)
「できない」のではなく、「やらない」だけの問題なので、ナンセンスな目標数値だと感じてしまいます。
この手の話は、経路依存の結果としての難易度はあるかと思いますが、すぐにできないならずっとできないようにも感じており。。。
相手の立場にたって物事を考える必要がありますが、この観点だけは何とも譲り切れず、どうも理解が追い付きません。
ここまでわかりやすいケースではないものの、こうしたミスリード数値化ってありそうな気がします。
こういう目標設定は、関与する人が幸せにはならない構造になるので、注意が必要です。
目標設定、目標設計って本当に大事だなと、つくづく思います。