相性が良い会社とそうでない会社

人事コンサルをやっていると相性が良い会社とそうでない会社があります。

相性とは、何なんでしょうか。

自分なりの定義を考えてみました。

 

任せてくれる

依頼することを会社として判断した以上、プロとして接してくれて、任せてくれる会社があります。

自分も絶対にその期待に応えたい、何としてでも応えよう、と思います。

「任せられている」という感覚によって、踏ん張って仕事ができるようになります。

 

任せてくれる会社は、相手の専門性に対して敬意をはらい、尊重してくれます。

自分も常にこの「敬意」と「尊重」は、強く意識しています。

リスペクトと表現してしまうと、安易な伝わり方になってしまいそうなので、敢えて「敬意」と「尊重」という言葉を選んでいます。

 

このスタンスを感じられる会社とは、自分は長くお付き合いができていると思います。

 

一方、「俺の考えていることを形にしてくれ」という会社とは相性がよくありません。

そもそも、他人に背景も共有されず、ビジョン・ミッションも共感できないまま、指図されるのが嫌で独立しているわけであって、そんな仕事をすることはできません。

業務委託契約として関わりますが、業務委託者=業者の扱いをしてくれる方が、本当にいたりします。

お互いに不健全なので、やるべき責務は果たして自分は去るのみです。

 

フラットに議論できる

人事には正解がない、ゆえに「選んだ道を自分たちで正解にしていく」ことが求められます。

そのために、フラットに議論できる環境が必要です。

 

もちろん組織階層はあって、意思決定者・レポートラインも決まっているけれど、議論の場では一人一人が考え、フラットに発言できる。

「それだ!」という意見が、さらにブラッシュアップされていき、納得の案ができあがる。

このプロセスをつくれる組織とは、相性が良いです。

 

一方、いかにも偉そうな人が偉そうにレビューしてくる組織は論外として、偉いか偉くないかにこだわって組織階層をなくしたり、役職名にこだわったりする組織でも、全然フラットに議論できないことがあります。

 

こういう組織では、既に「偉い人」がこうしたいという考えがあり、側近がそれを感じ取って提案したり、異なる案が出てくると重箱の隅をつつくように些末な話で否定してきたり。

本質的な議論ができないので、ストレスと無力感を感じたりします。

これが正しいと盲目的になっているケースがほとんどなので、自分一人ではどうしようもありません。

 

価値観が合う

抽象的ですが、価値観の合う・合わない、があります。

 

「価値観が合う」を言語化してみると

 

  • 正解のない人事テーマについて議論する際、「A」か「B」か「C」か、という問いに、直感的に「C」という意見で合意できる確率的に多い。(理由づけは、直感の後に協力しながら進めます)

 

といったところでしょうか。

 

もちろん、100%の確率で意見が合致することはありません。

ただ、合致する確率が高いなと、8割ぐらいかな。

 

また、意見が真逆になることもほとんどありません。

真逆になるケースは、本心というよりも環境がそうさせてしまうことが多く、背景を整理・言語化していけば、たいていは着地が見えてきます。

 

この価値観の話、考えてみると「何が正しいと思うか?」「何が得意か?」「何か好きか?」という正の側面よりは、「何がおかしいと思うか?」「何が苦手か?」「何が嫌いか?」という負の側面を確認すると、相性がいいなとか、これは相性悪いかも、と気づいたりすることがあります。

 

「相性」なんてワガママ言ってないで、依頼されたらその仕事をやり切るのがプロ!という考えもあるかもしれないですし、自分も過去はそう思って逃げずにやってきましたが、今はだいぶ考え方も変わってきたなと感じます。

 

相性が悪いと、いい仕事ができないと分かっているので、相当気を揉んでいます。

 

プロとしてやる以上、逃げずに最後までやり切ることは何があってもやり切るので、そのためにも相性が良い会社さんとお付き合いしたいものです。

 

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