中間評価は、中間地点の期待成果に対して評価する

中間評価について、「念のため」という前置きとともに頻度高く質問されることがあります。

この質問に対しては、明確な正解があるので評価者・被評価者にも必ず伝えておきたいところです。

参考:中間評価のすすめ

 

【不正解】中間評価は、期末地点の期待成果に対して評価する

わかりやすく数字で考えてみます。

100という定量目標を6ヶ月間で達成することが期待される成果で、且つ3ヶ月経過時の中間評価のタイミングで50を実現できている場合、どのような評価がされるでしょうか?

 

  • 期末地点の期待成果に対して達成率50%。未達です。

 

 

「いや、それ違うでしょ!」と思われた方、言いたいことはわかりますが、違うかどうかは制度(ルール)が決めること。

制度で規定されていなければ、「達成率50%。未達」も間違いではありません。

なぜなら、制度で決まっていなければ、正解はないので。

でも、被評価者からすれば、なかなか納得感を感じられないかと。

中間評価の目的は、でお互いの認識(評価)を擦り合わせることで、期末評価でサプライズを起こさないようにすることです。

「中間評価は期末地点の期待成果に対して評価する」では、目的を果たすことができません。

これは不正解です。

 

【正解】中間評価は、中間地点の期待成果に対して評価する

制度で定めるべきルールは、中間地点の期待成果に対する評価であること。

100という定量目標を6ヶ月間で達成することが期待される成果で、且つ3ヶ月経過時の中間評価のタイミングで50を実現できている場合、オントラックとみなして「期待通り」の評価をつけることが妥当です。

 

  • 中間地点の期待成果に対して達成率100%。現時点では「期待通り」の達成状況です

 

「中間評価は中間地点の期待成果に対して評価する」が正解です。

もし、期初の期待の擦り合わせ(目標設定)で「中間地点で60を目指そう」と話していたら、それは「期待を少し下回る」という中間評価になります。

こう考えると、期初に期末だけでなく、中間地点の期待成果を考えることの重要性も見えてきます。

中間地点の期待成果に対する認識ズレが生じると、そもそも評価に対する不信、さらには評価者に対する不信につながります。

一度、傷ついた信頼関係をリカバリするには、時間も労力もかかることは言うまでもありません。

 

細部にこだわり、ドキュメントに残す

制度は、ドキュメントに残してなんぼです。

見落としがちな細部にまでこだわって、言語化していきましょう。

特に相手が「念のため」と前置きを置くぐらい、「これで合ってますよね」と謙遜するくらいの質問こそ、ルール化、言語化が大切です。

得てして、こういう観点から認識はズレていき、足をすくわれることになります。

 

制度導入期は、こうした穴がたくさんあります。

評価者や被評価者からの声(質問・疑問・意見・提案・クレームなど)に、誠実に向き合い、ひとつひとつ対応していくしかありません。

 

自分は、様々なクライアントとこうした穴を発見しては、つぶす作業を通じて、人事制度の実践的な知見・ノウハウをストックしてきました。

その引き出しの多さ(領域に対する経験の幅・深さ)が、自分の強みに繋がっていると自負しています。

何事も長くやることで、なかなか出会えない知に遭遇することができると考えています。

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