期末に等級の変更(昇格・降格)を決定する等級判定会議。
今日は、等級判定会議でやること(ToDo)とポイントを考えてみます。
【ToDo1】意思決定
等級変更、主に昇格について意思決定します。
自分の人事制度の「型」では、昇格候補者制度を採用するため、期初に昇格候補に推薦された方の昇格可否を判定するプロセスになります。
ポイントは、意思決定者を明示していくこと。
アジェンダにテキスト化しておくことをおすすめします。
- 担当部門役員が意思決定する
- 参加する全本部長の合意をもって決定する
- CEO決済とする
各社の考え方、事情に合わせて意思決定者を決めて構いません。
等級によって意思決定者が変わるケースも多いです。
例えば下位等級であれば「担当部門の部長が意思決定する」、上位等級だと「担当部門役員が意思決定する」とか、「参加する全本部長の合意をもって決定する」とか。
組織全体への影響(インパクト)も踏まえて、意思決定者を決めています。
なお、合意とする場合、「全員が Yes であれば OK とする」or「誰か1名でも No があれば NG とする」かも決めておくと、参加者に迷いがなくなります。
【ToDo2】情報収集
昇格は会社にとっても昇格者本人にとっても大事なイベントです。
大きな承認が付与され、報酬にも影響が出るため、モチベーションやエンゲージメントがグッと高まるタイミングだと考えます。
その際、直属の上長(メイン評価者)だけでなく、様々な関係者(主に他部署のメイン評価者)からフィードバックをもらえる仕組みの方が有益なのでは、と。
そこで等級判定会議に参加する方から「褒め」と「今後の期待」についてコメントをもらうようにします。
メイン評価者が、昇格を伝えるとき、他部署のメイン評価者からの「褒め」や「今後の期待」も沿えるようにします。
これをドキュメントで準備してもらうには手間がかかるので、等級判定会議にて口頭で共有してもらい、議事録に残す形式が、ちょうど良い負担かと思います。
等級判定会議の参加者が増えてきたら、全メイン評価者からコメントを取集することが難しくなります。
なので、直属の上長がコメントを依頼したい他部署のメイン評価者を指名する形式もアリです。
他部署の協力も得て、豊富な「褒め」コメントをフィードバックし、本人の自信、つまりは再現性に寄与できるようにすることは、育成面から見ても効果的です。
【ToDo3】品質管理
品質管理とは、「等級判定の目線合わせ」を意味します。
あやしい昇格判定にブレーキをかけることから、等級要件の認識合わせ、昇格判定理由に対するレビュー等、幅広い行為を含みます。
具体的には、等級判定会議にて事前にメイン評価者が作成した「等級判定シート(等級要件に対して振り返り、昇格判定の理由を記載するシート)」を、全参加者で読み込みます。
読み込むための所要時間は、1-2分程度のイメージです。
メイン評価者が、どういう点から昇格に値すると判断したのか、を全参加者が把握します。
わからないことがあれば、その場で質問し、メイン評価者が説明責任を果たします。
他職種になると、具体的な仕事や成果が分からなくなるので、等級判定シートを読み込んでもイメージがわきにくいのは事実ですが、言葉の使い方・ニュアンス・テンションなど、実際に読んで感じてもらう部分はたくさんあると考えています。
昇格する人は会社が高く評価していることは間違いなので、パフォーマンスを上げている人の特徴を把握できる数少ない機会でもあります。
また、メイン評価者がつくったドキュメントを他のメイン評価者が読む時間を設けると、つくる側の真剣さも高まり、等級判定シートが生きた存在になります。
つくったけど使われないという形骸化を防ぐ効果もあります。
一方、もちろん参加者の時間をこれほど使っていいのか、というご意見もあります。
ただ、昇格は会社にとっても本人にとっても大事なイベント。
毎期の評価のように定期的に繰り返されるイベントとは違うので、きちんと時間をかけて自社の人材について考えたり、意見交換したりする時間はあってもいいのでは、というのが自分のスタンスです。