バリューを浸透させたい。多くの経営者が考えていることだと思います。
バリューをつくったまではいいけど、その後どうすればいいか。どうすればバリューが浸透した組織になるか。
実際にバリューが浸透していると感じる組織を思い浮かべながら考えてみました。
経営者の言行一致
「背中を見せる」、何よりも重要なことです。経営者の言行一致がなければ、バリューは浸透しません。というよりも、想像以上に簡単に形骸化します。
一方、経営者の言行一致があれば、思いのほかバリューが組織に浸透していくと感じると思います。
バリューに慣れていない人からすると、バリューってちょっと恥ずかしい部分ありますよね。何か格好つけてるみたいで。バリューを体現しよう、と言われても何となく斜に構えてしまう気持ちもあるかと。
そんなとき、経営者が自然にバリューを体現している姿を見ると、「あ~、こういうもんなんだな」とバリュー体現のハードルが下がります。この体験が、バリュー浸透に必要です。
言行一致を引き出すには、バリューが「体現するのは難しい(または手間がかかる)けど体現できる」レベルの内容になっていることも大切です。綺麗事を言って満足してはいけません。
言ったら、いつ何時でも「やらないといけない」のがバリューです。
また、組織が拡大するタイミングでは、経営者だけでなくマネージャーの言行一致が求められます。
マネージャーが増えるタイミングまでに、経営者が言行一致の文化をどれだけつくれるか、これもバリュー浸透のポイントです。
バリューでフィードバック
普段の仕事の場面で、バリューを使ってフィードバックします。
口頭でのフィードバック、テキストでのフィードバック、絵文字でのフィードバック。褒めも改善も、バリューを通じてフィードバックします。
フィードバックする中で「日常感」を大切にします。自然とバリューが体現され、褒めのフィードバックを通じて再現性を強化していく。改善のフィードバックによって期待値を揃える。
バリュー体現を当然の空気にしていくのが「日常感」の意味することです。
バリューで表彰をやっても「日常感」は醸成できません。イベント・お祭り事で「特別感」が出てしまいます。個人的には、この「特別感」は負の影響があるとも考えています。バリューを大事にする組織にとって、バリューは特別ではありません。日常であり、自然だと考えます。
バリューでフィードバックする日常をつくるには、バリューでフィードバックしやすい状態をつくります。
まずは、バリューのフィードバック基準の言語化。そのままフィードバックできる基準を、1つのバリュー毎に5つぐらい言語化することをおすすめします。抽象的なバリューを具体的に解きほぐす作業です。
そして、バリューが体現された事例も言語化します。良い事例と良くない事例を両面で言語化できると、より理解が進みます。セールスやエンジニアなど、職種別に事例を言語化するのも有りです。
バリューが採用基準
上記は、既存のメンバーにバリューを浸透させる方法論ですが、そもそも自社のメンバーに採用する・しない、の判断にもバリューを使います。
バリューを浸透させるには、バリューを体現できそうな人を採用することから始まります。
バリューとは「価値観」のこと。決して、それが正解ということではありません。
右か左か、判断・行動に迷った際、「うちの会社は右」というのがバリューです。この基準・考え方に共感できる仲間を集めるのが、スタートアップの採用活動です。
明らかに左に行ってしまう人、右も左も判断せず先送りしてしまう人、は採用してはいけません。
補足
以前、前田ヒロさんのセミナーでバリューを語る機会がありました。そのときの記事も参考になると思ったので、こちらに。