CEO と CXO の役割分担

CEO と CXO(CEO以外のCOOやCFO等) には、いろいろ役割がありますが、特に大切だと思う「課題設定」と「課題解決」の役割分担について考えてみました。

CEO は課題設定する人、CXO は課題解決する人、という話です。

課題解決できないことを、課題設定する

CEO は課題設定する人ですが、何を課題設定するかというと「課題解決できないこと」を課題設定します。正確に言うと「誰もが課題解決できないと思っていること、もしくは解決すべき課題だと気付かれていないこと」を課題として設定する人です。

大きな絵を描く人とも言えます。

これをできるのが CEO であり、CEO の特殊能力です。これは CXO にはできません。

本当はできるかもしれませんが「できません」と割り切ってください。

同一人物が、課題設定と課題解決の役割を担うと、課題解決できないことが課題設定されて、苦しみます。「これ難しいよな」「これはさすがにできないよな」と。そして前には進みません。

結果として、課題解決できることが課題設定されます。

課題は解決されますが、他社にマネされたり、価格競争に陥ったり、苦しい戦いを強いられることになります。

事業の立ち上げ期は、この2つの役割を創業者(≒CEO)が実行します。スケールするタイミングで、役割をうまく分担できるパートナー(CXO)が見つかるかどうか、が肝です。

課題解決できないことを、課題解決する

矛盾に満ちた表現ですが、お許し下さい。CXO(CEO以外のCOOやCFO等) は課題解決する人です。どんな課題を解決してくれるかというと「課題解決できないこと」を課題解決します。

これが COO であり、CXO の特殊能力です。これは CEO にはできません。

本当はできるかもしれませんが「できません」と割り切ってください。

CXO は生粋の課題解決の職人であり、難しい問いが目の前にあるほど、燃えます。壁が高ければ高いほど、ストレッチできる人が CXO です。こういう風に「考える」ことがそもそも好きで、得意な人です。

よって、CXO の活躍は CEO の課題設定次第となります。

こじんまりした課題でなく、脳から出る汗が止まらないレベルで無理難題を提供しましょう。「これ無理っしょ」と口では言いながらも、喜びの笑みがこぼれ落ちていることに気付きます。

課題設定と課題解決は、まったく違う

極端に話を単純化すると、課題設定はリーダーシップ、課題解決はマネジメントです。

リーダーシップは、影響力であり、持って生まれた素質に近いと思います。人に影響を与えるなんて、そう簡単にできません。

無理難題をつくり、不可能を可能にする絵姿を (分かりやすく情熱的に) 語ることができる。それがリーダーです。

自分もこうしたリーダーと一緒に仕事をすると、ワクワクする感覚を覚えます。この絵姿を実現したいという気持ちに素直になれます。リーダーという人は、本当にスゴイな~と。

一方、無理難題を解きほぐしながら、普通なら「できないよね・難しいよね」と終わるところをハックしてやり切るのがマネージャーです。

地頭の良さは当然ながら、場数が物を言います。たくさんの引き出しを持っていると、過去の経験から類推(アナロジー)して、突破口を見出すことができます。

解けない問いでアトラクト

CEO は課題解決できないことを課題設定することで、組織づくりを推進します。

具体的には、採用です。引く手あまたの CXO には、解けない問いでアトラクトしましょう。

自社の魅力は、説明不要です。CXO にとっては、自分で調べたり、考えれば分かることです。

考えても分からない、けどワクワクする課題を届けることをおすすめします。

CXO が、CEO を助けたいと思えたら勝ちです。

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