現状分析インタビュー

人事制度の導入プロジェクトを開始する際、現状分析インタビューとして全社員にお話を伺っています。

そもそも人事制度がなく、ドキュメントやデータを通じて会社を把握することができないため、インタビューを通じて把握しています。

社内でプロジェクトを推進する場合の参考にして頂ければと、実施概要、質問リスト、知りたいことをまとめました。

実施概要

  • 1対1形式
  • 1名につき、45分
  • オンライン実施
  • 質問リストを見ながら進める ※質問リストは事前に公開しない
  • インタビュー冒頭に「頂いた意見は、プロジェクトメンバーに記名式で共有します」と伝える

1対1形式で本音を引き出します。

何度も繰り返す中で、30分だと短く、60分だと長いため、45分に落ち着きました。

コロナ後はオンラインに変えました。画面オフだと表情が見えない分、若干のやりにくさはありますが、大きな問題ではないです。

質問リストは事前に公開しないようにしています。質問リストを見ながら、その場で考えていきます。事前に質問リストを公開すると人によって、凝った回答をつくってしまい、本音が聞けないことがあります。あと、仕事の邪魔にならないよう最低限の時間で進めたいという思いもあるので。

最後に、インタビューは記名式としています。プロジェクトメンバーにインタビュー内容をフィードバックすると、発言内容から「誰が言ったか」がだいたい分かります。スタートアップは人数が少なく、担っている仕事も明確だからです。敢えて隠す必要はないと考えています。

もし発言者が分からなかった場合、きちんと内容を理解したり、対応するためにも、結局「誰がどういう立場で言っている?」が必要になります。

あと、スタートアップは組織戦略上、オープンであることは必要条件であると考えているため、なるべくこうした施策は記名式で実施することをおすすめしています。

質問リスト

1. これまでの職務経歴をざっくりと教えてください (1~2分ほどで)
2. この会社に入社(転職)した理由は?
3. 入社前と入社後で感じたギャップは?
4. 仕事は楽しい?【選択肢3つ:①楽しい/②どちらともいえない/③楽しくない】
5. あなたの今現在のミッションは? ※ミッションとは「自分のやるべきこと/目標」
6. この会社の強みは?
7. この会社が大事にしている価値観(判断や行動の基準)は?
8. 会社に対して、KPT ( Keep :良い点・継続してほしい点、Problem :課題・改善した方が良いと思うこと、Try :今後やった方がいいと思うこと)でフィードバックをお願いします
9. 人事制度(等級制度・評価制度・給与制度)について意見や要望があれば教えてください
10. その他(採用、オンボーディング、1on1、情報公開、働き方、福利厚生、など)
11. その他、何か意見・質問があれば!

この質問リストを見ながら、上から順番に質問していきます。

人によって発言量は変わりますが、45分に収まるようにファシリテートしていきます。

インタビューを実施する前、プロジェクトメンバーで質問リストを確認の上、これ以外で質問したいことがあれば追加したりすることもあります。

知りたいこと

それぞれの質問を通じて、自分が知りたいと思っていることをざっくりと整理しました。

1. これまでの職務経歴をざっくりと教えてください (1~2分ほどで)

どんな経歴の方が組織に集まっているか、を把握します。例えば大企業出身者が多い場合、オーソドックスな人事制度を経験しているので、スタートアップらしい人事制度に対して違和感が出やすくなります。あとそもそも人事制度が形骸化しており、制度導入に懐疑的なこともあります。

そのため、大企業との違い(背景)であったり、人事制度の目的や効果、形骸化する理由と形骸化させないための工夫を丁寧に説明することを心がけたりします。

2. この会社に入社(転職)した理由は?

会社の魅力を把握します。事業的価値、経営陣、成長機会など、ある程度回答に傾向はあります。

自分自身の会社理解に役立てます。

3. 入社前と入社後で感じたギャップは?

表面的には見えにくい会社の特徴を把握します。ポジティブ・ネガティブのどちらも出てきます。

早めに知っておくことで、プロジェクト推進に役立つことがあります。

4. 仕事は楽しい?【選択肢3つ:①楽しい/②どちらともいえない/③楽しくない】

「仕事を楽しい」と思っている人の割合から「スタートアップらしさ」を把握します。経験上、伸びるスタートアップは、みんな仕事を楽しんでいます。つらい・苦しい・大変、だけど楽しんでいます。

20名規模でインタビューした場合、「①楽しい」が9割を切る場合(3名以上で②や③と回答する)、採用の問題か、入社後のマネジメントの問題か、を整理して対策を打ちます。

5. あなたの今現在のミッションは? ※ミッションとは「自分のやるべきこと/目標」

目標設定の状況を把握します。人事制度はなくても、自分の目標がクリアになっており、自律的に活動できる状態になっているかどうか。

また、目標の中身をお聞きすることで、目標の粒度も把握できます。目標設定の仕組みを導入する場合、現状との違いを説明できるとプロジェクトメンバーの理解促進に役立ちます。

6. この会社の強みは?

強みを伸ばすというポリシーのもと、制度でさらに強化できそうな「強み」を把握します。

制度設計の「なぜ?」を合理的に説明するための理論武装に役立てます。

7. この会社が大事にしている価値観(判断や行動の基準)は?

インタビューのタイミングでバリューが設定されているケースが多くなりました。その場合、設定されたバリューの中で特にどのバリューが大事にされているか、また社員はそれをどんな場面で感じるのか、を把握します。

この意見は、バリューを活用した評価制度を設計する際の評価基準に直接的に役立ちます。

8. 会社に対して、KPT ( Keep :良い点・継続してほしい点、Problem :課題・改善した方が良いと思うこと、Try :今後やった方がいいと思うこと)でフィードバックをお願いします

Keep を通じて、今後も変えずに残していきたいこと、を把握します。特に 6. の強みとして今後も変えない方が良いことを吸い上げ、同時にその理由も言語化していきます。普段考えることが少ないので、沈黙になりがちな場面ですが、インタビュイーの自組織の理解促進のためにも、じっくり考えてもらうようにしています。

Problem を通じて、会社の課題、主に組織課題を把握します。人事制度設計とは直接関係ないことも多々ありますが、プロジェクトメンバーにフィードバックして対応策を考えます。

また Problem を聞くことで、人材レベルの把握にも役立ちします。経営視点や中長期視点、人・組織の気持ちの理解など、発言内容から人材レベル、特にマネジメントのレベル感を把握するよう心がけています。

9. 人事制度(等級制度・評価制度・給与制度)について意見や要望があれば教えてください

ここでやっと人事制度の話。「わからない」「特にない」といった意見が多いです。

無理に深ぼることはしない代わりに「前職で、この人事の仕組みややり方は機能していなかったことは?」を聞いたりしています。

制度説明の際、「こうします!」ではなく「こうはしません!」と伝えるだけでも納得感に繋がります。人事制度を運用する前の段階で「こうします!」と言われても、正直「良いのか悪いのか、わからない」というのが本音です。そんなときは「こうはしません!」の方が、相手にとって腹落ち感は出やすかったりします。

10.その他(採用、オンボーディング、1on1、情報公開、働き方、福利厚生、など)

人事関連で相手の方が敢えて取り上げたいデータがあれば、吸い上げます。普段、会社に対して発言する機会がなかったり、敢えて発言するほどのことでもなかったり、と言えずにモヤモヤしていることを吸い上げるイメージです。

11.その他、何か意見・質問があれば!

最後に「締め」として。たまに「オフレコでお願いしたいんですが…」があったり、私(インタビュアー)自身のことに関する質問だったり、雑談だったり、があります。こういう場面での「誠実さ」は大切にしています。

それぞれの質問から得られた考察を最後に構造化して、プロジェクトメンバーへのフィードバック、そして制度設計に進みます。

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