人事制度の運用の中で、最も使うツールが評価シートです。
社員(被評価者)が、直接取り扱う人事ツールのため、事故が起きない信頼性をもち、被評価者にとって使いやすく、且つ人事の負担も大きくなり過ぎないようにします。
制度導入期の評価シートの運用方法について考えてみます。
まずは、スプレッドシートで運用
将来的には評価システムを導入するため、それまでの繋ぎにはなりますが、まずは Google スプレッドシートで評価シートを作成・運用することをおすすめします。
制度導入期は、制度や運用の可変性を高めておくと便利だからです。というのも、評価制度は、運用する中で、ガンガン改善されていきます。いざやってみると「こうした方が良さそう」がたくさん出てきます。評価項目、評価基準、評価方法、評価尺度、評価点、評価シートの構成、評価コメントの記入ガイド、などなど。
評価期間が締まり、新しい評価期間に変わるタイミングで改善(変更)するケースもあれば、スタートアップらしく評価期間中に改善するケースもあります。具体的には、中間評価を実施している場合、中間評価の振り返りを踏まえて期末評価を改善する、という流れです。
また、事業・組織が成長すると、その成長に合わせて評価制度もアップデートしていく必要があります。
こうした変化に、柔軟に対応できるようにしておくことが、制度導入時には大事です。そのために、ツールも比較的柔軟な Google スプレッドシートを活用します。
制度の改善が進み、運用にも慣れてきたタイミングで評価システムを導入検討します。おすすめは、SmartHRさんの「人事評価」。UI・UX、細かい権限管理、評価フローのカスタマイズ性の使い勝手が良いです。
評価シート作成は、GASで自動化
評価シートの原本をつくり、評価対象者の人数分をコピーして作成することは負担です。
そこで、評価シートの作成を Google Apps Script (GAS) で自動化しました。自分ではできないので、外部の協力会社さん(SonicGardenさん)に依頼して、作成頂きました。めちゃくちゃ助かってます。
自動化できた作業は以下です。
- 評価シートを作成する
- タイトルに本人氏名を入力する
- シート内に、基本情報(本人氏名・従業員番号・等級・部門・メイン評価者氏名・サブ評価者氏名)を入力する
- 本人・メイン評価者・サブ評価者の編集権限を設定する
- 全社員分の評価シートの URL を別のスプレッドシートに転記する
- Google Drive に部門別フォルダを作成の上、部門別に保存する
留意点は、GAS での自動化は期初にいる被評価者が対象であるため、期中入社の被評価者に対しては評価シートの原本をコピーした上で設定が必要です。また、期中に評価者が変わるケースは、手動で権限を変更することも必要です。
評価者一覧スプシで、期中運用する
上記の自動化できた作業の「5. 全社員分の評価シートの URL を別のスプレッドシートに転記する」について補足です。
「別のスプレッドシート」は「評価者一覧」です。これを全社公開して評価制度を運用します。
記載する情報は、次の通りです。
- 従業員番号
- 被評価者氏名
- 等級
- 部門
- 職種
- メイン評価者氏名
- サブ評価者氏名
- メールアドレス
- 中間評価の対象フラグ
- 期末評価の対象フラグ
- 評価シートURL
被評価者の皆さんは、この「評価者一覧」から自分の評価シートにアクセスします。
期中に入社したメンバーは、この一覧に評価シートのURLを転記(追加)していきます。期中のメイン評価者・サブ評価者の変更も、このシートで管理します。
また、等級を全社公開するためのツールでもあります。
評価制度の運用に関する情報を、「評価者一覧」で一元管理します。