相対評価・絶対評価とは?

「相対評価って納得感出ます?」や「絶対評価って機能します?」といった質問を受けます。

「相対評価は納得感出にくいです」、「絶対評価は機能します」とお伝えします。

ただし、「絶対評価」や「相対評価」の定義がズレていることがあるので、まずは定義から考えてみます。「評価」とありながら「報酬」にも及ぶテーマです。

相対評価とは、強制的に分布させること

相対評価とは、例えばSABCDの5段階で最終評価が決定するルールの場合、S(最高評価)は10%、Aは20%、Bは40%、Cは20%、Dは10%、といったように記号ごとに割合を決めて、評価を振り分けます。

10人の被評価者が相対評価されると、Sが1名、Aは2名、Bは4名、Cは2名、Dは1名となります。認識がズレやすいのは、この相対評価で分布させる前の評価は絶対評価であること。

少しややこしいですが、10人の被評価者には絶対評価によって、それぞれ評価されます。例えば、その評価結果がスコアで算出される場合、そのスコア順にSABCDが決まります。絶対評価をした上で、相対評価しています(相対分布させています)。

相対評価によって会社が思い描く評価割合に分布させることで、評価に紐づく昇給総額をコントロールします。相対評価の目的は、「報酬」における人件費のコントロールです。

絶対評価とは、基準に照らして評価すること

絶対評価とは、評価制度上で基準をつくり、その基準に照らして被評価者を評価することです。

例えば、期初に設定した目標(基準)を達成できている・できていない、会社が期待する判断・行動の基準に対してできている・できていない、といった評価です。

その評価の過程で「基準に照らすとAさんよりBさんの方ができている」と相対的に見ることはありますが、あくまでも最終的な評価は基準に照らした評価となります。

絶対評価は、全員が最高評価になる可能性もあれば、全員が最低評価になる可能性もあります。そのため、絶対評価で差がつくのか、もし全員が最高評価になってしまったらどうするのか、といった不安が生じます。

スタートアップには、絶対評価が向いている

全員が最高評価になること、これはスタートアップの理想の姿です。

全員が期待を超える水準でパフォーマンスを出せている状態であり、おそらくバリューも自然に体現できている状態です。これこそ、スタートアップが目指す成長スピードであり、winner-takes-all に近づける状態です。

全員が最高評価であれば、報酬水準も報いるべきで、そのために「人への投資」を目的とした資金調達も実際に行われます。

こういうポリシー・スタンスが人事制度に組み込まれていると、メンバーも人事制度を前向きに捉えてくれます。

世の中努力すれば何でも夢はかなう、なんてことはありませんが、だからこそ、会社の人事制度くらいは本人の努力やコミットメントが評価・報酬に反映されるようになっていてほしいものです。

相対評価では評価・報酬の説明責任が果たしにくい

相対評価は、被評価者の評価への納得感をつくる観点で、おすすめできません。本人がどんなに良い成果を出そうが、他の人がもっと良かったから、という理由で評価されません。

これをやってしまうと、評価者であるマネージャーも評価の説明責任を果たすことができません。マネージャーは自分の担当範囲以外の評価は分かりませんので。評価の説明責任が果たせないと、評価に応じて決まる報酬に対しても説明責任も果たせません。この環境の中で評価を進めると、被評価者にとってマネージャーの存在感も薄れてしまいます。

相対評価は、あくまでも人件費コントロールの手段であり、報酬の領域に関する話です。評価とは切り離して、報酬に関するテーマとして取扱うことをおすすめします。

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