OKRを運用している会社で、人事制度を導入する際に質問されること

OKRを運用している会社で、人事制度を導入する際に質問されることがあります。

主に、評価制度における個人の目標設定と会社全体に及ぶOKRの関係性に関する質問です。

自分の回答をメモしました。

 

必ずしもOKRに個人の目標を紐づけられないが・・・

そうですよね。

すべての個人目標をOKRからブレイクダウンするという理想にこだわる必要はないと考えています。

 

OKRに限らず、目標設定の肝はフォーカスすること。

つまり、目標を絞り、実現したいことに個人と組織を方向付けることです。

だから、全社員の目標を包含する、もしくはロジックツリーできれいに分解できるゴールではありません。

 

フォーカスされた目標に紐づいていないことでもやるべきこと、大事なことはあります。

会社の成長、自分の成長と興味関心に基づき、目標設定すればいいと思います。

 

その目標が会社の成長に、いかに寄与するか、を考え、説明責任を果たすのは、マネージャーの責任です。

 

OKRは、実現不可能な目標、つまりムーンショットを狙うのでは?

私の経験上、人事制度における個人の目標設定は、評価制度の一部で運用されることが多いです。

つまり、評価されて個人の処遇にも反映されるため、ムーンショットのような実現不可能な目標設定をすることは、本人にとって不利になってしまうのでは?という質問、というか不安といった方が正しいかもしれません。

言葉をそのまま受け取ると、「そのとおりですね」という回答です。

 

ただし、私の考えでは「実現不可能」なことに組織を方向付けることはナンセンスかと。

だって、実現することは不可能なのですから。

 

そうではなく、等級制度に基づく相手への「期待」を反映した目標を設定し、実現に向けて方向付け・動機付ける、つまり「集中する」ことが評価制度(目標設定)の目的です。

実現不可能なことを考えるという「無駄」な労力をかける必要はありません。

 

そもそも、会社全体でOKRがどのような考え方で運用されているか、から振り返る必要がありそうです。

私は、95~105点に相当する期待を反映した目標を設定することが評価制度では大事だと思っており、その合計がきちんと会社の目標・成長につながるようにすることがマネジメントの役目だと思っています。

そして、その点数が150点もしくは200点あたりで設定するのがOKRなのかな、と。

要するに、目標の延長線上にあるゴールがOKRと考えるとわかりやすく、かつ納得感も出るのではないでしょうか。

 

OKRを運用する際、認識違いが起きがちなのは、「充足率」か「実現確率」か。

OKRの説明の際、定量的に具体的に語られる場合、「70%程度の確率で」という話を聞きます。

これだけだと、充足率か実現確率かがわかりません。

 

100の目標数値に対して、70を達成しようという話なのか、1を達成する確率が70%なのか、という話です。

まったく違う目標設定になるので、そもそもどういう考え方で「率」を捉えているのか、認識合わせが大事だと思います。

 

あと、個人的にムーンショットって、、、って感じも。

ムーンショットという言葉に、コミットメントを感じないのは理由です。

できなくて当然というか、できたらムーンショットでもないかも。

 

自分は実現不可能な目標は追いませんし、追わせません。

成長に期する目標で、努力を継続し、粘り強く対応すれば何とかできそう、という目標を追いかけます。

でないと、やる気が起きないからです。

 

そもそも、OKRとは・・・

「OKR」というワードが出てくると、OKRを語られるケースがありますが、それは人事制度の説明会ではなく、勉強会などでやりましょう。

OKRが一般化というか、たくさんの本で説明される中で、OKRに対する「答え」が定義されるようになりました。

 

しかし、人事制度というか経営全般は、「答え」のない取組みなので、答え合わせをするのは、勉強会の方が適しているかと。

もちろん経験や理論に基づく「モデル」や「型」はあるかもしれませんが、常に更新が必要です。

 

「OKR警察」のように、OKRを取り締まる方がいたら、その場は降参して場所を変えましょう。

「正解」はありません。

 

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