組織拡張に応じて、会議体の再設計が必要になる場面があります。
「何をするか(何を議論するか・何を決めるか)」にフォーカスが当たりますが、自分は「しないこと」を決めておくことも大事だと思っています。
何をしないか
本を読んでいると、戦略は「しないこと」を決めること系の話をよく見ます。
若かりし頃は、「うまい感じ」で言っていると思っていましたが、様々な会社を見てきて、本当にその通りだな、と体感できるようになりました。
「あれも、これも」と手を出して中途半端になってしまう。
これを避けるには、明確に「これはやらない」「あれは捨てる」「今じゃない」という意思決定が必要になります。
これができないと、前進している感覚はあるものの、業績が追い付いてきません。
この「何をしないか」は、役職者の責任を考える際にも有効な手段です。
「本部長」は、「何をするのか」だけでなく、「何をしないか」まで共通認識を持てると、他の役職との関係性やその役職者の責任範囲が明確になります。
経営幹部が短期の執行だけに目が行きがちであれば、改めて「何をしないか」を考えることも客観的に自分たちを見つめるいい機会になります。
会議でも「何をしないか」
会議でも「何をするのか」ではなく、「何をしないか」について考えてみましょう。
個人イシューの話はしない。
具体の施策の議論はしない。
人事評価まで話をひろげない。
短期の戦術を発散しない。
会議における本来の狙いに照らし合わせて、思い切って取捨選択しましょう。
「それは今、決める場ではない」「しないことに、それって入っているのでは?」「別の~会議でやりましょう」と、ピシャっと誰もが言えるようにガイドラインがあるといいです。
参加しない人も決めるべき
スタートアップでは、オフラインとオンラインのハイブリッド、もしくはオンラインに振り切って会議体が設計していることが多いと思います。
気をつけたいのは、オンラインの力を借りることで誰も「参加できる」「参加しやすい」環境になってしまっていること。
「耳だけ」で参加することも可能です。
個人的には、これやめた方がいいと思っています。
当人が、会議に出る価値がないので。
会議は、決める場であり、仮説を検証したり、アイデアを膨らませながら、決める場です。
決める方がいればいいのです。
情報共有のための会議は、繁殖力が非常に強い。
一度こういう会議の雰囲気を認めてしまうと、「情報」は組織の中でパワーを持っているから、誰でも欲しがります。
これを「任意」でやってしまうと、無駄なリソース投下があちこちで起こります。
組織は分業と調整で成り立っています。
そのために「階層」ができます。
情報は「階層」を使って、透明性高く流通させることが大事です。
先ほども書いた通り、情報はパワーをもつので抱え込んで自分の力にする輩が出てきます。
これは徹底的に排除しなければなりません。
会議体の議事録を共有するなど、情報を隠すことができないようにしなければなりません。
話が少し飛びましたが、会議体の人数は強く狭めること、情報はオープンにしなければなりません。
もちろん開示できない情報は、ごまんとありますが、公開することを組織カルチャーにまで引き上げる努力は必要です。
内向きな情報にこそ、パワーがあります。
特に組織人事の話は、みんな聞きたい。
関わりたくないけど、聞くだけは聞いておきたい。
そんな気持ちにもさせますので、意識して参加者を絞りましょう。
クローズにしたいわけでなく、時間を大切に使いたいだけです。
情報は階層を使って流通させていきましょう。