昇給の期間案分

中途採用中心のスタートアップ。

期の途中で入社した方の評価や給与改定(昇給)についてもルールを定めておく必要があります。

これは中途入社者だけではなく、期の途中で休職した方や復職した方にも当てはまります。

 

「50%」の在籍期間で評価の対象とする

以前の記事(評価期間の途中に入社したメンバーの評価は?)でも説明した通り、6ヶ月の評価期間のうち、50%である3ヶ月以上在籍した方を、評価対象とします。

 

一定の期間がないと、目標を設定し、実績を測定したり、バリューに基づく行動の体現度合いを評価することが難しいと考え、「3ヶ月」としています。

1ヶ月でも2ヶ月でも納得感のある評価ができる、またオペレーション上の負担も受け入れられるということであれば、1ヶ月や2ヶ月とすることも可です。

 

また、入社後1ヶ月はオンボーディングや目標設定で実質的に評価する期間とは定義できない場合、6ヶ月の評価期間のうち、4ヶ月間の在籍期間を求めるケースもあります。

この3ヶ月にするか、4ヶ月にするかは、会社によってケースバイケースです。

自分の現在の支援先でも、5対5ぐらいの割合です。

 

期間案分の捉え方

例えば、3ヶ月の在籍期間で評価した場合、昇給を規定通り、実施するのか、案分するのか、を考える必要があります。

評価に基づく昇給率が「2%」だった場合、案分して「1%」にするか否か、という話です。

(6ヶ月のうち3ヶ月の在籍期間で評価したため、昇給率2%の半分に案分しました)

 

観点をまとめました。

観点案分する案分しない
人件費管理人件費を抑制できる
組織スケーラビリティ社員数が少ないうちは問題にならないが、社員数が増えてきたら問題になる可能性がある
納得感昇給対象者(本人)が納得しない可能性がある周囲が納得しない可能性がある
運用コスト運用コストがかかる
労務リスク育児・介護を理由に案分することへのリスクが全くないとは言えない

 

自分のポジションは「案分しない」

非常に悩ましく「案分しない」にオールインというわけではないのですが、自分のポジションは「案分しない」です。

 

理由は、案分することの「本人の納得感」や「運用コスト」、「労務リスク」と効果である「人件費抑制」を考えると前者の方がデメリットとして大きいと考えているからです。

自分だけの意思で休職しているわけではないですし、中途入社者の入社タイミングも縁なので、それを機械的に案分して報酬決定することに「合理性」を感じる一方で、「費用対効果」の弱さも感じます。

 

ただ、ここは意見の分かれるところです。

中途入社者のケースと育児・介護のケースでも捉え方が変わってくるかもしれません。

ただ、あまり複雑にはしたくない。

シンプルな形で、組織の納得感を醸成できるルールづくりを目指したいところです。

 

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