目標設定における課題の整理

目標設定は、マネージャーの主要業務です。

よく聞くイシューについて、整理してみました。

 

マネージャーの目線を揃えたい

マネージャーとメンバーの間で実施される目標設定。

経営や部門長、つまりマネージャーのマネージャーが、その目標の中身について悩みを感じることがあります。

「もっと高いレベルの成果を追ってほしい」と目線を上げたいという話です。

 

これはマネージャーに対して、会社の「期待」が伝わっていないことが原因です。

会社や部門の目標を再度伝え、そのために「今、なにをやらないといけないのか」について擦り合わせる必要があります。

期待を伝えるのは、マネージャーのマネージャーである経営や部門長の役割(責任)です。

 

この役割を他者にお願いすることはできません。

経営や部門長が自分事として取り組みましょう。

「当然でしょ」と思うかもしれませんが、できていないケースがあります。

 

マネージャー自身の目標設定を引き上げることはできていても、マネージャーとメンバーの間で実施される目標設定は「マネージャーの責任」だと考えているケースです。

マネージャーの責任ではありません。

 

経営もしくは部門長の責任です。

 

部門間・部門内の連携を強化したい

あとになって「それ、先に知っておけばよかった」という話です。

知っておけば連携できたかもしれない。

 

そんな課題に対して、目標の共有会をやることがあります。

部門内で目標を説明し、共有する。

その過程で、知っておいた方が良さそうな情報を参加者から上げてもらいます。

 

参加者とはメイン評価者で、メンバーと目標設定しているマネージャーを指します。

 

会社目標や部門目標を期初のキックオフ等で共有している会社も多いと思いますが、それだと若干粒度が大きいため、もう少し細部に及ぶ目標ベースで共有するイメージです。

実際の目標共有会では、単に共有だけで終わらず、マネージャーから相談事項が上がってくるなど、目標のブラッシュアップにも役立ちします。

 

能動性や主体性を強化したい

目標設定しているものの、どうも組織が受け身になっている。

能動性や主体性が感じられず、どうしても「上」がいったことを実行する組織になってしまう。

 

こういう場合、目標設定を自分で考えさせるようにします。

ただし、自分自身で目標を決定することはありません。

あくまでも考えるプロセスを設置することがポイントです。

 

具体的には、以下の流れで目標設定を進めます。

  1. 期初のキックオフで会社や部門の方針・目標を伝える
  2. マネージャーと1on1で、相手(メンバー)に期待することの概要を伝える。ここで本人の意思や意見も聞き取る
  3. 自分自身で目標を考え、評価シートにまとめる
  4. マネージャーとの1on1で、目標を擦り合わせる。本人が目標の中身と設定した理由を説明する
  5. 必要に応じて、再度、自分自身で目標を考え、目標をアップデートする
  6. マネージャーとの1on1で、目標を擦り合わせる

 

メンバーが目標を考えるにあたり、きちんと方向性と素材を提供し、自分で考える習慣をつけさせます。

最後の決定権はマネージャーであることは揺るぎません。

 

自分で考えるプロセスを経ることで、「なぜこの目標なのか」を主体的に考える機会をつくることができます。

このプロセスが目線の向上にも役立ち、習慣化することで人材育成にも寄与できるものと考えています。

 

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