他者のファシリテーションから学ぶ

先日、とあるクライアントさんの人事チームの振り返りに関する会議にオブザーバーとして出席しました。

プロダクトマネージャーとして会社を支えるコアメンバーが、会議オーナーとしてファシリテーターを引き受けてくれ、そのファシリテーションを観察。

 

普段、自分がファシリテーションする会議との違いを体験し、学びの90分となりました。

自分にとっての学びのメモです。

 

事前準備がすべて

Miroを使った振り返りで、事前に参加者(6名)に対して事前準備の依頼がありました。

各自、6ヶ月間の KPT で振り返るという内容です。

 

会議を通じて感じたこととして、ファシリテーターの事前準備がすべてであるということ。

つまり、参加者の事前準備を見ながら90分の進め方をすべてイメージし、ある程度の着地点(落としどころ)が見えている状態で会議にのぞむことの重要性です。

 

自分も同じことをやってきましたが、詰めが甘かったかな、という反省です。

もっとどこに着地するのがよいか、自分の中でシミュレーションを繰り返し、自分なりの答えをクリアにしておくのが良さそう、と思いました。

どのレベルまで事前準備しておくべきか、という基準を客観的に感じることは、自分にとって大いに学びでした。

 

時間を優先する

わかっていても、なかなかできないことが会議におけるタイムマネジメント。

会議内で「考える」「議論する」「決める」などの行為があった際、もっといいモノ(案)が出てくるかもしれない、という淡い期待のもと、予定していた時間がズルズルと伸びる傾向が、自分にはありました。

このタイミングで先に進んでしまうと唐突感出るかな、という自分への迷い・不安がそうさせていたと思います。

 

ただ今回のファシリテーションでは、個人的に「グイグイいくな」という印象で、煮詰まっていない部分を感じながらも、結論としては最後まで整理されていました。

もちろん完璧でない部分はあるかもしれませんが、時間内にやるべきことはやり切ったと参加者が感じられる会議でした。

 

これができるのも、上記で書いた「事前準備」があってこそなんだと気づきました。

事前に、仮説として問いと答えがクリアになっているので、途中に若干気になる点が残っても、時間を意識して先に進むことができるんだと。

着地点の中心軸ができている分、会議内をスピーディに進められるし、会議内の議論を通じて中心軸がレベルアップされていきます。

 

事前準備あってこそのタイムマネジメント。

当たり前のことかもしれませんが、客観的な立場だったからこそ、自分にとっては新鮮な学びになりました。

 

否定をこらえる

最後に、自分だったら安易に「それはちょっと違うかも」と言ってしまいそうな場面でも、そうした否定がなかったこと。

ファシリテーターは心理的安全を重視して、意見が出やすいリラックスした雰囲気を意図的につくっていました。

 

あるテーマで自分が強く感じていた課題について議論が進むと、現状に対する本質的な課題が見えてきました。

自分がファシリテーションしてたら「本当にそうだろうか」「これは矛盾していないか」「ここはどう考えるべきか」と問いを投げかけていたはず。

おそらく反論し難い状況ゆえ、自分の意見は真っ当に聞こえたと思います。

 

でも、今になって考えると、今回の会議の趣旨とは少しズレる部分も、確かにありそう。

次につながるステップが厳しい選択になるので、なかなか前に進まない可能性がありそう、ということです。

今回については振り返りをして、ネクストアクションまでつなげる一歩目と位置付ければ、今までを否定することは最善の策ではないかもしれません。

ここは少し時間をかけて対峙すべきことかもしれない、という気づきがありました。

 

百聞は一見に如かず、のファシリテーションでした。感謝。

 

Share this…