様々な組織と仕事を一緒にしてきましたが、どの組織でもすぐに浸透・定着していく人事評価の言葉があります。
サプライズ
「評価でサプライズを起こさないために…」
「サプライズは離職につながるので…」
「サプライズが起きてしまった理由は…」
評価者を中心に「サプライズ」が人事用語として使われます。
サプライズの定義は、評価が2段階ズレること。
たとえば、行動評価で以下の尺度があったとします。
- 周囲の模範である
- できている
- できている、とは言えない
- 周囲に悪影響を与えている
「1」がプラス、「4」がマイナスです。
自己評価が「1」、評価者評価が「3」の場合、サプライズとなります。
日々の振り返りやフィードバックや届いていない、不足している、など様々な原因が考えられます。
振り返りの基準
サプライズは、振り返りの基準です。
中間評価や期末評価で、サプライズが起きたらお互いの認識が大きくズレていたことを意味します。
この認識ズレは大きければ大きいほど、期待成果にギャップが生じ、組織の成果があがりません。
評価会議で全社の評価結果の傾向を分析すると同時に、サプライズの状況も確認します。
サプライズが起きていたら、該当する評価者だけでなく、人事も力を合わせて原因を深掘り、対策まで考えます。
翌期に同じサプライズが起きないよう、コミュニケーションプランまで落とし込み、評価フィードバック面談に臨みます。
人事制度は、うまく機能しているかどうか、振り返ることが難しい。
サーベイで納得感を聞くだけでも物足りないし、業績が伸びていればそれでいいわけでもないし、定着率だけで測ることも何となく違う、一定の新陳代謝は必要なので。
その中で、サプライズの発生率(数)は客観的な指標として、よく活用されます。
言いやすい、覚えやすい、イメージしやすい
あらゆる組織でサプライズという言葉は、すぐに定着していきます。
理由を考えると、第一に言いやすさがあって、馴染みもあるぶん覚えやすく、意味と状態の合致度合いが高く、イメージしやすいんだろうと。
また、サプライズは基本的に「自己評価が高く、評価者評価が低い」ケースで使われるため、ネガティブな意味合いを持っていますが、サプライズという用語からはそのネガティブさが薄れている印象もあります。
中立に近いというか。
この用語があるため、評価制度の振り返りがしやすくなります。
今は使っていない組織でも、すぐに使える概念なので使ってみてほしいです。
ちなみに「サプライズ」の出典(出どころ)は、覚えておらず…
6年ほど前、あるプロジェクトでこの「サプライズ」の考え方を思いつき、提案したことがスタートでしたが、何かの本で読んだか、誰かに聞いたか、その出典はまったく覚えていません。
自分のことなので本から情報を仕入れたと思いますが、ここについて完全に記憶がありません。