バリューを、評価制度にどう組み込む?

バリューを組織に浸透させるために、バリューを評価制度に組み込む方法があります。ここでは分かりやすくバリュー評価と呼びます。

ただ、抽象的なバリューをそのまま評価制度に組み込むと、評価者も被評価者も理解が深まらないまま、評価することになってしまい、バリュー浸透にも役に立たず、さらに納得感の低い評価になってしまいます。

こうした事態を避けるべく、バリュー評価の設計について考えてみます。

バリューを評価基準に翻訳する

スタートアップのバリューはワーディングは違えど、本質的な要素が似ることが多いです。例えば、スピード、コミットメント、オープン、ユーザー中心、レバレッジなど。突き詰めるとこういった要素に集約されてきます。

そのバリューを評価制度に組み込む場合、評価基準に翻訳することが必要になります。バリューを「具体的な判断・行動の基準」に翻訳するという意味です。

翻訳のポイントです。

  • 1つのバリューに5つ程度の評価基準を設定する
  • 1つの評価基準に、複数の意味を設定しない(解釈を広げ過ぎない)
  • 他のバリューと評価基準がダブらないようにする(ヌケモレよりダブりに注意)
  • そのままフィードバックできる表現にする(話し言葉を意識する)
  • 文字数は「10~20文字」が目安

制度導入時の評価基準は、全社で統一

評価基準を設計する過程で、評価基準は等級別に分ける?職種別には?といった質問を受けます。

自分の意見は「制度導入時は、等級別にも、職種別にも分けない」です。

理由は主に2つ。

1つ目は、バリュー浸透の目的を果たすため、まずは評価者も被評価者も同じ判断や行動の基準を理解・体現すべき、と考えるためです。バリュー浸透の目的をさらに深掘ると、メンバーが同じ判断・行動をできるようになることであり、結果として組織の判断・行動のスピードを上げることです。まずは理解・浸透させるためにも、等級や職種で分けず、同じ基準を使うことをおすすめします。

2つ目は、設計も運用も難しい点です。単純に設計する量が増えることで、等級や職種の整合性を取ることも難易度が高いです。また運用の観点でも、評価者は被評価者ごとに複数の評価基準を理解した上で使いこなすことが求められます。等級別や職種別は正論ではあるものの、制度導入時のバリュー評価には不向きであると考えます。

評価尺度は、4段階でスタート

評価基準が完成したら、評価の尺度(ものさし)を設計します。

バリューの評価は、日々の行動や判断を評価するため、定量評価ではなく、定性評価となります。そのため、評価の尺度も目線がズレないようシンプルにすることを心がけます。

制度導入時のおすすめは4段階。

  1. バリューを体現できていない
  2. バリューを体現しようとしている
  3. 自然に体現できている(再現性がある)
  4. 周囲の模範になっている(見習ってほしい存在である)

期待するレベルは 3 です。翻訳された判断・行動の基準を体現できており、再現性があると評価できることを意味する尺度です。

これでやってみて、しっくりこないところは、尺度の表現を変えたり、尺度の数(段階数)を増やしてみる等、試行錯誤します。例えば、 4 の水準を上げるケースとして「周囲の行動変容を導いている」とすることもあります。

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